ラベンダーズ・ブルー(Lavender’s Blue)

イングランド発祥の古いバラッド

「ラベンダーズ・ブルー(Lavender’s Blue)」は、イングランドに伝わる伝統的な民謡です。起源は17世紀とも言われており、もともとは子守唄や恋の歌として歌われていました。

この曲には多くのバリエーションがあります。歌詞やメロディーが少しずつ異なる形で受け継がれてきました。子ども向けの歌として知られる一方、大人の恋愛を描いた詩としても用いられてきたのです。

タイトルにある「ラベンダー」は、当時の生活に深く関わっていた香草です。衣類の香りづけや防虫に使われ、人々にとって身近な存在でした。そのラベンダーをモチーフにしたこの歌は、素朴で優しい響きを持っています。

映画での使用と人気の復活

「ラベンダーズ・ブルー」は、1950年のディズニー映画『シンデレラ(Cinderella)』で使用されたことで再び注目を集めました。この時のアレンジでは、やや明るく優美な雰囲気に仕上げられており、映画の幻想的な世界観とマッチしています。

さらに、2015年の実写版『シンデレラ』でもこの曲が使用されました。主人公エラの母親が子守唄として歌うシーンがあり、家族の絆や母の愛情を象徴する重要な楽曲として描かれています。

こうした映画での使用をきっかけに、現代でも再評価され、さまざまなアーティストによってカバーされています。

代表的な歌詞と和訳

以下は、「ラベンダーズ・ブルー」の代表的な歌詞の一部とその和訳です。

歌詞(英語)
Lavender’s blue, dilly dilly, lavender’s green,
When I am king, dilly dilly, you shall be queen.
Who told you so, dilly dilly, who told you so?
‘Twas my own heart, dilly dilly, that told me so.

和訳(日本語)
ラベンダーは青いよ ディリーディリー ラベンダーは緑
僕が王様なら ディリーディリー 君はお妃さま
誰がそう言ったの? ディリーディリー 誰がそう言った?
それは僕の心 ディリーディリー 僕の心が教えてくれた

このように、シンプルな歌詞の中に、愛や誓いが込められています。子どもにも大人にも親しまれる、温かみのある一曲です。