Q.
心房細動で過去2度カテーテルアブレーションを受けましたが、依然として続いています。普段の生活で治す方法はないのでしょうか?
A.
心房細動は一度慢性化すると生活習慣だけで根治することは難しいですが、症状を軽減し、再発頻度を減らすためには日常生活の工夫が重要です。
【普段の生活で症状を改善するポイント】
① 食生活の改善
- 塩分控えめの食事(1日6g以下を目安)
- マグネシウム・カリウムを多く含む食品の摂取(ナッツ類、ほうれん草、バナナ、アボカドなど)
- アルコール摂取の制限または禁酒(特にアルコールは誘発要因になりやすい)
② 体重管理
- 肥満は心房細動の誘発・悪化要因のため、標準体重を維持(BMI25未満を目標)
- 減量によって再発率が大幅に低下するとの研究結果があります。
③ 定期的な適度な運動
- ウォーキング、水泳、軽いジョギングなどの有酸素運動を毎日20~30分程度
- 激しい運動や競技スポーツは控える(逆に誘発するリスクがあります)
④ ストレスの軽減
- ストレスは心房細動の発作誘因となるため、日常的にリラックス法を取り入れる(瞑想、呼吸法、ヨガなど)
- 睡眠不足の解消(1日7〜8時間の十分な睡眠)
⑤ カフェインの摂取制限
- コーヒー、エナジードリンクなどカフェイン含有量の多い飲料は控えるか、摂取量を減らす
⑥ 薬物治療の継続
- 抗凝固薬や抗不整脈薬など、処方された薬剤を医師の指示通り継続的に服用する
- 定期的な診察を欠かさない(病状に応じた調整が重要)
【自宅で症状が起きた場合の対応法】
- 安静にして深呼吸する(リラックスを心がける)
- 冷たい水を飲んだり、冷たい水で顔を洗うことで自律神経を刺激し、落ち着く場合もあります。
【注意点】
- 日常生活の改善で症状の頻度・重症度を軽減することは可能ですが、完全に根治することは難しいことが多いため、医師による経過観察と治療を継続することが大切です。
- 頻繁に再発する場合や症状がつらい場合、3回目以降のカテーテルアブレーションや他の治療法(投薬治療の見直し、外科的手術など)を主治医と相談する必要があります。
日常の工夫と医療的な管理を併用し、無理のない範囲で症状と上手に付き合っていくことが重要です。