ビフィズス菌と精神的健康

Q.

ビフィズス菌が精神的健康にも効果をもたらすという研究がなされているようですが、具体的にどのような効果があると言われていますか？

A.

はい、ビフィズス菌をはじめとした「腸内細菌」が精神的健康に影響を及ぼすという研究は、ここ数年でかなり注目を集めています。腸と脳の相互作用を指す「腸脳相関（gut-brain axis）」という概念のもとで、多くの研究が進められています。

以下、ビフィズス菌がもたらすとされる精神的健康への具体的な効果をまとめます。

🌿 ビフィズス菌と精神的健康の関係

1. ストレス軽減効果

ビフィズス菌がストレスホルモン（コルチゾール）の分泌を抑えることがあるとされています。
→ 一部の研究では、ビフィズス菌を含むプロバイオティクスを摂取することで、ストレスを感じたときの生理的反応（心拍数、血圧など）が緩和されたという報告もあります。

2. うつ症状の改善

特定のビフィズス菌株（例：Bifidobacterium longum NCC3001）を使った研究で、うつ状態や不安感が軽減されたという結果があります。
→ 抗うつ薬が効きにくい人でも、腸内環境を整えることで改善が見られた例もあるようです。

3. 睡眠の質向上

腸内環境が整うことで、メラトニンやセロトニンといった「睡眠・気分」に関わるホルモンのバランスがよくなる可能性があります。
→ セロトニンの90％以上が腸で作られると言われており、腸内細菌の状態は睡眠にも関係していると考えられています。

4. 認知機能や集中力の向上

ビフィズス菌を含むプロバイオティクスの摂取が、集中力や記憶力の向上に寄与したという研究もあり、特に高齢者での研究が注目されています。

💡メカニズム（ざっくり）

腸内細菌 → 神経伝達物質（例：セロトニン、GABAなど）を生成
↓
それらが迷走神経やホルモンを介して脳へ影響
↓
気分や思考に変化が出る可能性がある

🧪 代表的な研究例（簡単に）

• 2011年：オックスフォード大学の研究で、プロバイオティクス摂取によって不安感が軽減されたという報告
• 2015年：カナダのMcMaster大学では、ビフィズス菌NCC3001が過敏性腸症候群の患者のうつ症状を緩和する可能性があると発表
• 2020年以降：日本でも、機能性表示食品として「腸と心の健康」に着目した製品が出始めている

興味があれば、具体的な製品や論文の紹介もできますよ。
ご自身が「どんな目的で使いたいか」（ストレス対策、睡眠改善など）に応じて、合った菌株を選ぶのもポイントです。

Q.

摂取の方法によって効果に差があるかどうかの研究はなされていますか？サプリによる摂取でも十分な効果が認められているのでしょうか。

A.

とても良い視点ですね！
はい、ビフィズス菌の摂取方法（サプリ、ヨーグルト、飲料など）によって効果に差があるかという点についても、研究は進んでいます。結論からいうと、摂取方法よりも「菌株（どのビフィズス菌か）」と「生きて腸に届くかどうか」のほうが効果に大きく関係すると考えられています。

✅ サプリ vs 食品（ヨーグルトなど）——効果の違いは？

🔬 実際の研究例

1. カプセル（サプリ）でも効果はある

• 例：Bifidobacterium longum 1714株をカプセルで摂取した実験で、ストレス緩和と注意力の改善が認められた（2016年、アイルランドのAPC Microbiome研究）。
• → 「生きた菌」を腸まで届ける技術（腸溶カプセルなど）が鍵になります。

2. 食品との比較

• 一部の研究では、「食品（ヨーグルトなど）から摂るビフィズス菌も効果があるが、胃酸で死んでしまう分、発酵代謝物（ポストバイオティクス）による効果のほうが中心」とも言われています。
• 一方、死菌でも効果があった（免疫調整、ストレス軽減など）という報告も。

💡要するに？

• サプリでも十分に効果があるとする研究は多く、特に特定の菌株をピンポイントで摂りたい場合にはサプリが有利。
• 「生きて届く」ことが重要とされていたが、最近では「死菌でもOK」という説も増加中（ポストバイオティクス）。
• 自分に合った菌株を継続的に摂ることが一番大事で、摂取方法は好みに応じて選んでも問題ないという流れです。

もし気になる症状（例：不眠、不安感、腸の不調など）があれば、目的に応じた「菌株の種類」を紹介することもできますよ！