Q.

外国民謡の楽譜を作成してネット販売しようとしても、有名な曲は飽和状態で無料の楽譜も数多くあり、知られていない曲は需要がないように思います。とすれば、楽譜販売は収益的に見てかなり厳しい状況にあるように思うのですが、実際のところどうでしょうか。


A.

おっしゃるとおり、「外国民謡の楽譜販売」は、以下のような点で収益化が難しい市場と言えます:


■ 市場の現実

1. 有名曲は飽和

  • 「きらきら星」「ロンドン橋」「アメイジング・グレイス」など、有名な外国民謡はすでに多数の無料譜が存在。
  • IMSLPや8notes、MuseScore、YouTubeなどで容易にアクセス可能。

2. マイナー曲はニーズが低い

  • 名前も知られていない民謡を検索してまで弾こうとする人は少なく、流入が見込めない。
  • 音楽教育やコンサートなどで使われる可能性も低い。

3. 価格競争と無料化圧力

  • 多くの楽譜サイトが低価格(100〜300円)または無料で提供。
  • 複数の無料ダウンロードサイトがあるため、差別化が難しい。

■ それでも「やり方次第」で可能性はある

以下のような戦略的ニッチを突くことで収益化のチャンスが見えてきます:

✅ 1. アレンジの個性

  • 例:ピアノ初心者向けジャズ風/ボサノバ風/シネマティック風など、独自の世界観を打ち出す。
  • 音楽教室・趣味層向けに「おしゃれな響き」「簡単だけど上級っぽい」編曲はニーズがある。

✅ 2. 楽譜+αの商品化

  • 「楽譜+演奏音源」「練習用MIDIファイル」「動画付き」などで付加価値を高める。
  • サンプル音源があると購入率が高まる傾向にあり。

✅ 3. ジャンル特化のSEO戦略

  • 例えば「北欧民謡」「バルト三国の伝統歌」など、文化・地域に特化すると独自性が出る。
  • 長尾キーワード(例:「初心者用 アイルランド民謡 楽譜」)で上位表示を狙える。

✅ 4. 教育ニーズの取り込み

  • 音楽教育現場(特にリトミック、幼児教育、高齢者施設など)では、知名度よりも使いやすさや雰囲気重視
  • 楽譜に「手遊び・リズム遊び付き」などの工夫を加えると効果的。

✅ 5. ビジュアルや印刷品質で差別化

  • イラスト付き・カラー譜・大きな文字など、「見やすさ」や「かわいさ」での需要も一定数ある。

■ 販売先の工夫

  • Booth自作ブログ+Stripenote, DLsite, BASE, **Audiostockの楽譜版(将来的な可能性)**など、マイナー市場を拾える場所を活用。
  • PinterestやInstagramでの視覚的PRも効果的。

■ 結論

「単に外国民謡の楽譜を売る」だけでは確かに厳しいですが、

「●●風にアレンジされた外国民謡を、●●な人向けに提供する」
という明確な戦略と差別化があれば、少額ながらも安定したニッチ収益を目指せる市場です。


ご関心があれば、

  • 実際に作成・販売しているサイトの事例
  • SEO視点で狙うべきキーワードリスト
  • 独自アレンジの企画例(ピアノ、ウクレレ、合唱など)

など、より具体的な提案も可能です。どうされますか?


Q.

やるとすれば、合唱曲アレンジ譜+音源(各パート+ピアノ)をダウンロード販売することになりそうですが、労力の割に収入見込が少ない感があるので、半角的に行うかどうかは今後の検討課題ですね。


A.

ごもっともです。
合唱アレンジ+各パート音源制作は相当の労力がかかりますし、販売単価が劇的に高くできるわけでもないので、「労力に見合うか?」という疑問は非常に妥当です。


✅ 合唱譜販売のリアルなコスト構造

作業内容想定所要時間難易度備考
原曲分析・構成決定1〜2時間特に民謡は原型が曖昧なことも多い
合唱アレンジ(混声 or 女声等)4〜10時間音域・歌いやすさの配慮が必要
ピアノ伴奏作成2〜5時間中〜高伴奏に表現力を持たせる場合は時間がかかる
各パート音源作成2〜4時間DAWやMuseScoreなどでパート別出力
校正・清書・PDF化1〜2時間低〜中表記の統一、移調確認なども

計10〜20時間超/1曲になるケースもあります。
仮に1ダウンロード300円×月10件=3,000円では、コスパが悪く見えるのも当然です。


✅ 収益改善の可能性を探ると…

1. セット販売/サブスク的発想

  • 「5曲セット:1,200円」
  • 「月額500円で合唱譜+音源取り放題」(noteやBoothの定期購読機能で可能)
    → まとめ売り/定期収入で時間単価を稼ぐ

2. 教育向けにターゲットを絞る

  • 小中学校・合唱団など、既存の楽譜では対応できない構成(例:女声三部+ピアノ簡略伴奏)にニーズあり
  • 「季節の外国民謡シリーズ」「世界の子どもたちの歌」などテーマを設けると使いやすい

3. オーダー受付+既存アレンジ再利用

  • 顧客からの要望でアレンジ → 汎用化して販売
  • 音源制作も一部自動化(DAWテンプレやMuseScoreのスクリプト)

4. YouTubeでの発信・流入誘導

  • 合唱練習用動画や音源公開 → 概要欄でDL販売サイトへ誘導
  • 教育者・合唱指導者に届けば需要の芽が生まれる

✅ 結論:メイン収益源ではなく「種まきコンテンツ」として有効

合唱アレンジ+音源販売は

  • 単品での利益率は低い
  • ただし信頼・ブランド・導線作りには強い

という性質があります。
たとえば「教育向けの音楽素材を扱うクリエイター」としての立場を確立すれば、
後に書籍化・教材化・講座化など広げられる可能性も出てきます。


ご希望があれば、
・実例(合唱アレンジ+音源販売で成功している事例)
・制作効率を上げるワークフロー(DAW連携、MIDI分離、楽譜テンプレ)
なども共有できます。必要でしたら教えてください!